寄り道に寄り道を重ね、気づけばプレイ時間30時間になっていた筆者です。
さすがにストーリーが全く進んでいないのも…と思いクリアしてきたので、クリア後の感想をお届けします。

発売してくれてありがとう
レビューの前に、このゲームを制作してくれたことそのものへの感謝を。
ファンタジーライフシリーズはもともと2012年に3DSで発売された、「ファンタジーライフ」が始まりでした。
2013年にマイナーチェンジ版の「ファンタジーライフLINK!」が発売され、筆者が初めてファンタジーライフに触れたのもこのソフトでした。
シュールでありながら「悪いひとがいない」優しい世界観、それでいてやりこみ要素たっぷりで時間を忘れてのめり込みました。
その後はご存じの方も多い、「ファンタジーライフオンライン」が配信開始、そしてサービス終了。
正直なところ、もうあの頃のファンタジーライフをプレイすることはできないのだと思っていました。
というのも、初代ファンタジーライフの開発を担当したブラウニーブラウンというゲーム会社、紆余曲折あって分裂のような状態になってしまったそうで。
この会社が作るゲームが好きという自覚があったため(熱烈ファンというわけではないのですがマジカルバケーションというGBAソフトも子供の頃大好きでした)、会社がなくなってしまった以上あんな作品はもう出てこないと思っていたんです。
ところが、なんやかんやありながらも本当に発売された今作。
またファンタジールに帰ることができる、それだけでレベルファイブと日野社長さんに感謝です。
本当にありがとうございます!
待っててよかった!完璧な正統続編
シリーズファンとしては、(FLO同様の延期祭りなど)発売までがグダグダすぎて今回も余り期待していなかったのが正直なところでした。
ですがファンとして「ファンタジーライフ」の名が付いたものをスルーする気にもなれず、他に特にやっているゲームもなかったので買ってみるかくらいの気持ち。
ところが、ゲームを起動しキャラメイク画面で流れてきたのは、あのファンタジーライフおなじみのBGM。
キグルミ族は相変わらずシュールでかわいらしいセリフで、出てくるモンスターやNPCなどの世界観はあのファンタジールそのまま。
しかしグラフィックにはPS5の性能をフルに活かし、鮮やかで精細な動き。
最初の島に着く頃には、発売前の一歩引いた諦めモードから一転、良い意味で大きく裏切られた気分でした。
ゲームの根幹であるライフシステムは大きく変わっておらず、変に魔改造していないのも高ポイント。
今作から追加された新ライフである芸術家と農家も、うまく既存ライフと絡められていて、良いところは引き継ぎながらも新しさも加えようという意識を感じられます。
制作や採取は根本的なところは変わっていないものの、ランダム性が増したことでただの作業になりすぎず程よい歯応えです。
仲間システムはかなり斬新。
キャラに家を与えて一緒に島暮らしをする、その点であつ森っぽいと言われていると思いますが、あつ森と違ってみんな人間なためなんだか生々しさがあって面白いですね笑
ストーリーでもファンタジーライフらしさがところどころに。
大爆笑ではありませんがときどきクスッと笑ってしまうテキストが、物語をシリアスにさせすぎず肩の力を抜いてプレイすることができました。
いいことだけではなく…
もちろん良いことばかりではなく、残念に感じるポイントもいくつかありました。
ひとつめはカメラワーク。
基本的にカメラは常に斜め上からの見下ろし視点です。
シリーズ最大の広大なマップを一つの売りとしているにも関わらず、それを遠くまで見渡すことができず、常に窮屈な印象です。
せっかくのきれいなグラフィックなのでもう少しカメラの角度の調整ができると良いですね。
また、筆者はPS5でプレイしていますが、決定操作がバツボタンで固定されています。
決定・キャンセル以外のボタンのコンフィグは多少できるようになっていますが、システムとしての決定・キャンセルは変更できません。
Switchはプレイしていませんが、そちらはAボタンが決定操作でしょう。
そうすると、せっかくクロスセーブ機能があっても、操作性が違いすぎてSwitchでやろうという気にはなれません。
この2点は修正が可能なところだと思いますので、今後のアップデートに期待したいと思います。
最後にもうひとつは、ストーリーについて。
ここから先は、少しだけストーリーの展開について触れますので、未クリアの方はご注意ください。

↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
先ほどストーリーもファンタジーライフらしいと言いましたが、言い回しやたまに出るメタ発言などはとてもファンタジーライフを感じることができました。
しかし前作のファンタジーライフのストーリーで筆者が一番好きだったのは、「明確な悪が存在しない」こと。
(まだ触っていないコンテンツもありますが、)今作のストーリーをクリアしたところの筆者の感想は、ラスボスは「明確な悪」でした。
最近のゲームでよくある、「悪役にもそうなった仕方がない理由がある」と教えてくれますが、他からすれば身勝手な悪でしかありません。
ファンタジーライフに悪い人は出てこないと思い込んでいた筆者にとってはかなりショックで、そのままストーリーが終わってしまったことが信じられませんでした。
また、もうひとつの好きだったところが、徹底的にファンタジーな世界観でした。
神様や女神様、月や星といったファンタジールと呼ばれるに相応しい世界観とは離れ、古代文明…?そこはファンタジールなの?となかなか入り込めません。
セリフなどからおそらく前作と同じ世界線、同じ時間軸だろうと想像しますが、だとしたら世界観が前作とかけ離れすぎていると感じます。
ただ、前作でも追加コンテンツでファンタジー要素が増したと思われますので、今作もストーリーアップデートで補完してくれるのを待ちたいと思います。

感想まとめ
いろいろ言いましたが、ファンタジーライフの続編として、私たちの想像をはるかに超える完成度、ボリュームに違いありません。
いくつか気になる点もありますが、カメラワークなどの操作性に関しては今後修正可能な部分だと思いますので、そこまで気にしなくて良さそう。
前作ファンタジーライフが好きだった方にはもちろんおすすめできますし、前作を未プレイの方にもこの世界を楽しんでもらいたいと思える作品です。
もし購入を迷っているなら、ぜひプレイしてみてくださいね!